低電圧駆動可能なDDR3メモリ、KHX1600C9D3LK2/4GX
 5月に行われたキングストンのサンプリングでアリガストンキャンペーンに見事当選し、低電圧駆動タイプのDDR3メモリを使う機会を得ましたので、ここでレビューしたいと思います。
 今回使うのはHyperX LoVo SERIESのKHX1600C9D3LK2/4GXというDDR3の1600MHzメモリ、2GBデュアルチャネル対応2本セットです。長方形の箱の中にブリスターパックされて2本収められていました。メモリを手にするとずっしりと重さを感じました。アルミニウムで作られたヒートスプレッダの重さでしょうか。ヒートスプレッダはメタリックグリーンのベースにアクセントのシルバーが入り、見た目はなかなかの高級感です。
 まずはKHX1600C9D3LK2/4GXの使用感を確かめるため、今まで使っていたメモリはすべてはずし、このメモリだけ取り付けました。このメモリ、とにかく質感が高いです。この時点でとても気に入ってしまいました。

■低電圧駆動させてみた

 メモリを取り付けてPCを起動、BIOS設定画面からメモリの情報を確認してみました。1600MHz動作であれば1.35V、1333MHz動作であれば1.25Vで賄えるようです。なるほど、確かに低電圧駆動メモリといえそうです。
 しかしここで問題が起きました。私の使っているマザーボード、BIOSTAR TH55XEのBIOS設定画面からこのメモリのXMPを指定しようとすると、その瞬間に画面が止まってしまいます。リセットするしかなくなります。何度試しても同じ症状でした。これはいわゆる相性問題でしょうか※1。Auto設定であれば問題なくWindowsが起動するので、メモリそのものに問題があるわけでもなさそうです。ちなみに、XMPとはExtreme Memory Profileを略したもので、ものすごく簡単に言うとそのメモリの性能を最大限引き出すための設定情報のことです。XMPとしてメモリ側にあらかじめ用意されているものなので、使う側がこれを指定すれば面倒な設定は一切不要、というわけです。

 とはいえ、XMPが指定できなくても手動で同じ設定にすればよいだけのこと。XMPをメモして1600MHz設定、1.35Vに指定すると今度は何の問題もなくWindowsが起動しました。マザーボード付属のハードウェアモニタツールからメモリの電圧を確認すると1.356V、間違いなく1.35V駆動に成功しました。

 次に1333MHz設定を試しました。TH55XEのBIOS設定では1.30Vまでしか電圧を下げることが出来ないため1.30Vに指定。するとWindowsは起動するものの非常に不安定で、電圧確認のために上記モニタツールを起動した瞬間にPCが落ちてしまいます。1.35Vにすると安定します。もともとBIOS設定の下限が1.30Vのところからして、このマザーボードは過度の低電圧駆動を想定していないのかもしれません。そのあたりが不安定の原因であると推測します。

 以上、残念ながら1.25V駆動は確認できませんでした。私の環境に限れば1.35Vであれば問題なかったので、ここで満足するか、あるいは確かな安定性を重視して標準設定の1.5Vで使うのがよさそうです。1.25V駆動を狙うにはマザーボードとの相性が重要そうです。

■メモリの速度を計測

 KHX1600C9D3LK2/4GXの速度を計測してみました。Intel Core i5-750の160MHz x20の3.2GHz、メモリクロックは1600MHz。もちろん1.35V駆動です。RAMディスクはGavotte RAMDiskでFAT32 2GB分確保したものです。

・Windowsエクスペリエンスインデックスのメモリ評価は7.7

・CrystalMark 2004R3のメモリベンチマーク
 [ MEM ] 51001
 Read : 19570.94 MB/s ( 19570)
 Write : 9555.75 MB/s ( 9555)
 Read/Write : 9518.17 MB/s ( 9518)
 Cache : 123362.21 MB/s ( 12336)


・CrystalDiskMark 2.2 RAMディスクに対するベンチマーク
 Sequential Read : 7835.590 MB/s
 Sequential Write : 9110.578 MB/s
 Random Read 512KB : 4357.832 MB/s
 Random Write 512KB : 4721.740 MB/s
 Random Read 4KB : 79.996 MB/s
 Random Write 4KB : 78.971 MB/s
 Test Size : 1000 MB


 比較対照として、手持ちのコルセアのCMX4GX3M2A1600C9に変えて同様に速度計測をしてみたところ、誤差の域を超えない、まったくといって良いほど同じ結果となりました※2。同規格メモリについて同設定で動かしている以上は速度も同じになるのは当然といえば当然です。しかしKHX1600C9D3LK2/4GXは1.35Vと低電圧で駆動させている分、もしかしたら劣る結果になるかもしれないという考えもあったので、今回の比較でそういうことは一切ないことが改めて確認できました。

■異なるメモリと一緒に使ってみた

 今まで使っていたコルセアのCMX4GX3M2A1600C9と、今回手にしたキングストンのKHX1600C9D3LK2/4GXをあわせて8GBにして使ってみました。
 この組み合わせで起動すると、BIOS設定画面からXMPを指定することができなくなりました。XMPの選択肢がなくなり、AutoかManualのどちらかしか選べない状態です。つまり、KHX1600C9D3LK2/4GXだけ低電圧駆動させるという使い方は出来ないようです。

 しかしKHX1600C9D3LK2/4GXの標準設定1.5Vで使う分には何の問題もなく、CMX4GX3M2A1600C9との混在4枚挿しでもしっかりデュアルチャネルを維持していました。

■まとめ

 KHX1600C9D3LK2/4GXを低電圧駆動させるには、XMPによるか、あるいは手動で同じ設定にする必要があります。そして今回私が使ったBIOSTAR TH55XEのように、XMPの指定がうまくいかない、設定を詰めても低電圧駆動させるのは難しい・安定しないマザーボードもあるようです。低電圧駆動に魅力を感じてこのメモリを選ぶ場合はこの点で注意が必要です。

 手動で1600MHzの1.35Vに設定して使った限りでは不安定なところは一切ありませんでした。速度が落ちることもなく、低電圧であるところがそのままメリットになると感じました。
 
 仮に低電圧駆動が出来なくても普通のメモリとして使えればそれでかまわないというのであれば、まったく不満のないメモリだと思います。低電圧仕様によるデメリットはなく、標準設定でも問題なく動かせます。メモリ本体の質感も高く、かっちり作られていて格好良いです。DDR3のメモリを選ぶ上で積極的に選択肢のひとつに入れてよい製品ではないでしょうか。個人的に、3月にDDR3メモリを購入したばかりだったので、もしこのキャンペーンが先にきていれば間違いなくこれを買っていたのにと思うとちょっぴり残念です。

■余談

 メモリ8GBのうち5GBをRAMディスクに割り当てて、ファンタジーアースゼロのクライアントをそこにコピーしてから起動してみると、フィールド移動時のロードが一瞬で終わるようになりました。とても快適です。

 以上。

※1 CMX4GX3M2A1600C9のXMPは問題なく指定できることを確認しています。
※2 あまりに差がなかったのでCMX4GX3M2A1600C9の具体的な数値は省きます。KHX1600C9D3LK2/4GXのそれとまったく同じです。


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