夜叉SCYS-1000レビュー 第10回
 これはeArena夜叉SCYS-1000レビュアー募集キャンペーンに基づくレビューです。
 前回の続き、CPUクーラーの上側に蓋をして上に流れ出る風を遮ればもっと冷えるのではないか、その疑問を解消すべく、実際に蓋をしてみました。蓋といっても紙を貼っただけです。銀行口座の明細の書いてある、ラミネート付きの少し厚手の葉書を適当に切って貼り付けました。

 遮られる風量が多いほど効果がはっきりすると考えたので、ファンはもともとのSY1225SL12HPVCに戻しました。これを3ピン接続にし、ファンコンで最大の1960±50rpmに固定しました。±50rpmしていた理由は不明ですが、間違いなく回転数がぶれていたので、一応このように記載しておきます。OCCT Small Data Set 10分間CPUテスト、室温19℃、PCケースは閉じた状態です。そして結果は下のグラフとなります。
1960rpm、蓋なし、3分で47℃、6分で48℃

1960rpm、蓋あり、4分半で47℃

 とりあえず蓋をするだけで温度を1℃抑える方向に風の流れを整えられたようです。ただ、正直なところ、もっと大きな差が出るものと期待していました。あれだけ流れ出る風を遮って、それでたった1℃・・・。納得がいかなかったので、ファンをもう一度交換、S-FLEX SFF21Dにしました。こちらは840rpmで固定です。

840rpm、蓋なし、3分で51℃、4分半で54℃

840rpm、蓋あり、4分で51℃、6分で52℃

 今度は大きな差が出ました。蓋なしの状態で54℃にまで上昇していたものが、蓋をしただけで51℃で安定しています。あれ?なにか失敗したかな?と思い、再度試してもやはり同じ結果となりました。回転数の小さいときのほうが効果は大きいようです。

 つまり、840rpmでは風が上に流れ出てしまうことによる冷却効果のロスが大きく、それを防ぐことで無駄なく冷えるようになる、一方2000rpm近くでは、上に流れ出そうがそれを防ごうがもはや風を当てることでの冷却効果は頭打ちになっており、効果も限定的になってしまっている、ということなのかもしれません。ちなみに、アポリッシュファンが1300rpmのときにも蓋のあるなしでグラフを取ってみたのですが、やはり1℃の差が出ました。ゆるゆるでファンを回すような環境でより大きな効果が認められるようです。

 蓋のあるなしで低速回転時で3℃、高速回転時でも期待はずれながらも1℃の差が出てしまいました。トライデント多層フィン構造の見た目は確かに奇抜で目を惹きますが、トップのフィンに紙を一枚貼り付けて風の流れを整えるだけで3℃も冷却効果が認められてしまうのは、さすがにデザインに難ありと言わざるを得ない結果となりました。欠陥とまでは言いませんが、トライデントに見せるために大きく切り込みを入れたことが裏目に出ているのは間違いないわけで、改良の余地は大きいと言えそうです。トップのフィンだけ切り込みを入れないようにするとか、ゴムその他でワンタッチで蓋することができるような仕組みにして、デザインと性能のどちらを取るのかユーザーの選択に委ねるとか、もう一工夫あればよかったと思います。

 前回の予想通り、上に蓋をすることによる効果は間違いなくあることがわかりました。それではさらに側面も塞いでみればどうなる?と思うのですが、これはさすがに面倒なのでやめておきます。


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