夜叉SCYS-1000レビュー 第3回
 これはeArena夜叉SCYS-1000レビュアー募集キャンペーンに基づくレビューです。今回はCPUクーラーの取り付けを中心にお伝えしていきます。

 まずCPUクーラー本体に取付金具を差し込みます。私はCore2Duo E4400を使っているのでプッシュピンを使いました。AMD向けの金具も取り付け方はまったく同じです。

 本体側に穴が開いているので、取付金具の差込部分をあわせてぐっと押し込みます。片側は難なくはまったのですが、反対側は引っ掛かり部分が押し込めず苦労しました。しかし取付金具側の耳を内側に押し込むと引っ掛かり部分も内側に押し込まれ、さくっとはめることが出来ました。取り外すときも同じように耳の部分を内側に押し込めばよいのでしょう。

 問題なければマザーボードに取り付けます。今回私が使うのはLGA775です。クーラー側のマルチソケット、いったいどういう仕組みでLGA775/1156/1366に対応させているのか興味があったのですが、4つのピンそれぞれが放射状に遊びのある金具に取り付けられていて、LGA775を使う場合は必然的にピンが内側に来るようになっています。はめ込んでしまえば動くこともありませんでした。

 プッシュピン方式なので、マザーボードのCPUソケット周辺の穴にピンをはめて押し込むだけです。非常に簡単です。ただ、はまったようにみえて簡単に抜けてしまう場合もあるので、はめた後はピンを引っ張って抜けないことを確認すると良いと思います。

 ファンを取り付けてからだとプッシュピンが押せません。まずはCPUクーラー本体を設置してからファンを取り付ける手順となります。

 問題ありなのはファンの取り付け。なんと、付属の針金そのままでは取り付けられません。写真くらいの角度に広げる必要があります。付属してきた状態では角度が半分くらいしかありませんから、付くわけがないのです。これくらいはメーカー側で合わせておいて欲しいですね。

 あと、フィン表面の鏡面仕様ですが、ファンの取り付け・取り外しを繰り返しているうちに必ず傷が付きます。針金の先を引っ掛けなくても、普通に取り付けた状態でも擦れて傷になってしまうのです。ファンをとっかえひっかえして温度を測っていて気がつきました。もううちのは結構ぼろぼろ。

 取り付け完了。付属のファンは4ピンです。もしマザーボード側に4ピンがなくても、3ピンに差し込めば動きます。PWM制御出来ないだけです。ファンコンは効くのでほとんど問題にならないでしょう。BIOSの目標温度が50℃設定、負荷をかけても50℃に届かない状態で、ファンコンを最も絞った状態で640rpm、全開で1480rpmでした。

 今回のレビューはここまで。次回はOCCTでテストした結果をレビューします。

 これはeArena夜叉SCYS-1000レビュアー募集キャンペーンに基づくレビューです。前回、夜叉SCYS-1000の取り付けも無事終わりましたので、今回は具体的な性能を見ていきたいと思います。

 性能確認にはOCCT 3.1.0のカスタム設定、Small Data Set 10分間CPUテストを用いました。また、夜叉SCYS-1000のみのデータではその良し悪しが分かり難いので、比較対照として今まで使ってきたSpire THERMAX IIでも同じテストを行いました。使用したCPUはE4400の1600MHz〜2666MHz、室温はTHERMAX II計測時18℃、夜叉SCYS-1000計測時17℃、シリコングリスにはTHERMAX II付属のものを使用、それ以外の条件はすべて同じです。


 まずは交換前のTHERMAX II。55枚のフィンに4本のヒートパイプを用いた12cmファン搭載のCPUクーラーです。夜叉に比べるとわずかに一回り小さいのですが、ヒートパイプがCPUに直接接するようになっており、また、付属ファンの回転数が最大2200rpmという仕様の点で優れています。半年以上使い続けていて、その状態でデータを取りました。付属ファンの回転数は2220rpm、ファンコンを最大に開いた状態で計測。

・THERMAX II 室温18℃ 最低25℃ 最高46℃

 グラフは縦が温度、横が時間(10分間)です。緑の線はCPU使用率、茶色の線がCPU温度の推移となります。基本的に茶色の線だけ追ってもらえればよいと思います。負荷をかけて2分半で46℃まで上昇、負荷をかけ終えて2分でアイドル状態の温度に戻りました。


 そしてCPUクーラーの交換、夜叉SCYS-1000です。大きさはTHERMAX IIよりわずかに大きく、ヒートパイプも6本あります。ただし、こちらはヒートパイプがCPUに直接接するようにはなっていません。付属ファンの回転数は1480rpm、これはPWM制御のファンなのですが、私の環境ではTarget Temp.が50℃の設定で、テストではこれを超えることがなかったので回転数は固定となりました。ファンコンを最大にすると1480rpm、最小に絞ると680rpmでした。

・夜叉SCYS-1000 室温17℃ 最低23℃ 最高43℃

 こちらは負荷をかけて2分で43℃まで上昇、負荷をかけ終えて1分半でアイドル状態の温度に戻りました。THERMAX II計測時より室温が1℃低かった点を差し引いても2℃も温度上昇を抑えています。しかもこちらのほうがファンの回転数が700rpm低いにもかかわらず、です。

 私は、ファンの回転数が圧倒的に高いTHERMAX IIのほうが冷却能力に優れているのではないか、ヒートパイプの数の差を考慮しても悪くて互角だろうと予想していたのですが、意外な結果となりました。思うに、THERMAX IIはCPUとの接地面にヒートパイプがある分段差が多く(上の写真参照)、びちっと密着させるのが困難なため、そこが大きく影響してしまったのではないでしょうか。

 一方、夜叉SCYS-1000はヒートパイプが隠されているため、CPUとの接地面は平坦でより密着しやすくなっています。さらにクーラーのサイズそのものが大きいこと、ヒートパイプの数で勝ることから、ファンの回転数差をものともしなかったのでしょう。驚くべき冷却能力です。

 接地面をもっと上手く処理すればまた違う結果になりそうですが、THERMAX IIをLGA775にひとたび取り付けると次に取り外すのが非常に難しく、その手間を考えると憂鬱になるので再度試すのは諦めました。

 次回は付属ファンの性能を確認したいと思います。


Copyright © 百舌鳥の早贅. all rights reserved.